はむねっと(公務非正規女性全国ネットワーク)は、2021年の結成時から毎年、Web当事者アンケートを実施しています。この度、3回目の結果がまとまりました。
◆今回のアンケート調査実施の意義
2022年度末は、多くの自治体で「3年目公募」(再度の任用は原則2回までという国の期間業務職員に適用されている採用方法)が実施されたと予想されました。総務省は実態調査を行わないと国会で答弁していることから、数は少なくとも、当事者の声で、何が起こったのかを明らかにしようと3回目調査を実施しました。
◆主なアンケート内容とその結果
・514人の有効回答者の12%が辞めたと回答し、その44%が雇止め、21%は待遇に納得できず自ら辞めたと答えています。勤務歴の長い人が雇止めにあっている傾向は、3年間の調査で通算勤務年数の長い方の比率が40%から20%に半減していることと一致します。
・任用時に説明がなかった層は、45%以上が再度の任用についてわからないと答えています。公募・選考時に在籍者への配慮があったとする回答は6割であり、恣意的な運用との指摘もありました。また、公募選考は3月発表が37%にもかかわらず再就職支援もないという声も。
・公募選考については、「問題を感じても声に出しづらいという人」がもっとも多く、問題を感じても相談先がないは46%を超え、相談して状況が改善は20%に過ぎないものの、相談先では労働組合がトップでした。制度の問題点では、待遇差と雇用不安が並びました。
◆行政が不安定雇用を生み出しているいくつかの実例
・理不尽な雇い止めが発生しているケース「業務をしっかりと行ってきた人が公募試験で何人も落とされてしまった」「退職する正規職員が再雇用を希望した場合、一般公募で採用された会計年度任用職員が退職をしなければならないという制度」
・数か月も不安な状態にあったケース「12月から3月にわたる応募から採用までのその間、職を失うかもという強烈な不安や、業務を整理しなければというバタバタで落ち着かず大いに疲弊した」「4月から失業する可能性がありながら3月中旬を迎えるというのが恐怖だった」「会計年度任用職員にも人生があり、守るべき家族がいるという当たり前のことを想像できていないのだと思った。自分たち会計年度は『人の形をした何か』くらいにしか思われていないと思う」
◆記者会見
2023年7月25日「はむねっとアンケート2023~会計年度任用職員制度3年目に何が起きたのか!」の結果報告記者会見を行いました。共同通信、東京・中日新聞、朝日新聞、毎日新聞、NHK、テレビ東京、読売新聞、日経新聞、北海道新聞、都政新報、連合通信、しんぶん赤旗、フリーランスを含め19人の記者の参加がありました。
アンケート結果報告に続き、狭山市の図書館でフルタイム会計年度任用職員の司書として(臨時職員勤務とあわせ22年間)働いていたにもかかわらず、この3月で雇止めとなった当事者の報告があり、多くの質問が寄せられました。制度の理不尽さ、問題の大きさが伝わる会見となりました。